視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など五感も衰えてくる。
老眼は眼鏡で、白内障も必要なときは手術で改善されるし、補聴器で聞き取りの改善もできる場合がある。
しかしすべてが若い時に戻るというのではないことを認識して、自然に従う姿勢も必要。無理のない刺激で五感を鍛えることも必要。
【視覚】
≪ 眼をこらす ≫
春の鳥たち・・メジロのかわいい姿が花の中を動き回る。
大きなヒヨドリはちょっと動きが荒い。花の中に頭を突っ込んで蜜を食べちらすのも自然の姿。
お行儀の悪いヒヨドリが立ち去った後には、狼藉の後のように花びらが無残に散らばって・・・これも春の一つの顔。
【聴覚】
・・森の中の小鳥や虫の声、波や風といった自然の音を、注意して聞き取るのはとてもリラックスできる。
≪ 耳をすます ≫
冬は風の季節
よろこんでいる風。跳ねている風。
うなる風。嘆く風。すすり泣く風。
・・「もうすぐ春だよ」と ささやく風・・
私たちの人生ももう残り少ない冬の季節の中にいる
・・その先には人間にはわからない「新生の春」があるのかもしれない・・
【嗅覚】
・・食事の時にワインの香りを嗅ぐといいとか。人工的な芳香剤ではなく、散歩の途中で、花の香りや草木の持つ香りや夕立の時の空気や雨上がりのにおいなど自然の香りは生き物への様々なサインなので、それを受け止める力を失わないでいたい。
≪ 自然の中にある様々な匂い ≫
腰痛に悩まされるようになって、庭の手入れが難しくなった。
小さな菜園はハーブだけを育てることにした。
秋は花ジンジャーが良く香る。白い花は一日限り、はながらを取ってやると、また新しい花を開く。花の蜜を狙って小さな虫たちが可愛い羽音を聞かせてくれる。
メドウセージの花にはホバーリングの得意な虫たちがやってくる。その羽音に耳を澄ますと、陽だまりの中でのんびりしているときのような穏やかな気持ちになれる。
金木犀は秋の使者。どこからともなく流れてくる香りが、秋の到来を感じさせる。来年の春、また梅の香りを、沈丁花の香りを・・そして華やかな桜をまたみられるだろうか。
【味覚】
・・刺激の強いものを避け、旬の食べ物を味わうこと。春は蕗のとう・タケノコなどのちょっとほろ苦いものが味覚を刺激して春の体を目覚めさせてくれ、夏はキュウリや西瓜などのみずみずしい味が夏の体を冷やし、潤してくれる。秋の木の実や冬の根菜などもそれぞれの季節を感じ取らせてくれるもの
【触覚】
・・肌も老化によって水気を失い、感覚が鈍くなる。針を持つ、糸を触る、土や水の感触を感じる、紙や布の質感を手 触りで感じるなどの努力が必要。
≪ 肌で感じる ≫
蒸し暑い夏の午後、空高く伸びた入道雲の彼方から微かな遠雷が聞こえ、蒸し暑さが増してくると期待していた夕立・・・
濡れたアスファルトから立ち上る 夏独特の夕立の匂い・・
夜は手賀沼花火の音が、響きと共に聞こえる。